嘘つくつもりはなかったんです! お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
 僕はチャーリーの横顔を見つめながら、至福の時を過ごすことができた。やはり攻略対象は眼福だ、







「ん? リア、もしかして、緊張している?」

 ガゼボに座ると、隣に座っている殿下が顔を覗き込んでくる。

「殿下、あの、すみません。殿下の姿に慣れなくて、」

 ウィルティム様であれば、こんな距離で話すのも、見つめ合うことも平気だけど、今は銀髪の輝くような笑顔のウィルストン殿下だ。たとえ同じ人物であるとわかっていても、緊張するのは仕方がない、と思う。

「そうか、でも、この姿にも慣れて欲しい。私は、ウィルティムの時は、かなり自由にしていたけど、本来はこの姿だ。君の前では、飾らない自分でいたい」

 そして私の瞳を覗き込むと「やっぱり庭園に出てよかった。君の空色の瞳が見える」と言ってくれた。

「ウィルストン殿下、あの、やはり婚約は、私、気持ちが追いつかなくて」

 困った顔をして殿下を見ると、殿下は少し考え込むような目をして、言葉を紡ぐ。

「リア、私も事を急ぎすぎているのかもしれないが、君の純潔を私に捧げてくれたこと、嬉しく思っているよ」

(殿下、私はウィルティム様に捧げたのであって、ウィルストン殿下に捧げたわけではない。と言いたいけど、本人目の前にしては言えない、ううっ)

「やはり、君への責任もあるし」

(だ・か・ら、責任は取らなくていいって、言ったハズなのに)
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