嘘つくつもりはなかったんです! お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。

「もう、身体を繋げたのだから、君の未来の夫と思って頼って欲しい」

(一発ヤッたからって、彼氏気取り、いや、夫気取りされても困る!)

 言いたいことはいっぱいある。けれど、どれも言ったら不敬に当たりそうで喉まで出かかる言葉を飲み込む。

 そのリアリムの姿を、何故か恥じらっていると勘違いしたウィルストン殿下は、さらに爆弾を投下する。

「リア、大丈夫だよ。もう、王宮で暮らしたらいい。君の部屋は、用意してあるよ。未来の王子妃として、毎日私の傍に」

 最後までその言葉を聞くことなく、プッツンと怒ったリアリムは立ち上がって叫んだ。

「だ・か・ら! 殿下っ、気持ちが追いつかないって、言ってますよねっ!」

 顔を紅潮させ、繋いでいた殿下の手を払い、リアリムは続けて叫んだ。

「で、殿下はっ、わ、私が恋したのはウィルティム様であって、ウィルストン殿下ではないのですっ。宣誓書もあるから、いつか、婚約しないといけないことはわかっています。でも、でも! 殿下は眩しすぎて慣れません!」

 いきなり怒鳴るように言葉を発したリアリムに、ウィルストンは目を見開いた。彼女の言葉は堰を切ったように止まらない。

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