嘘つくつもりはなかったんです! お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
あの時の姿はウィルティム様だった。彼に手を差し伸べられた時に、電流が走ったように感じた。そして、その漆黒の瞳の奥に深い蒼色があるのを見て、私は恋に落ちたのだ。忘れもしない。
だけど、殿下はそうではない、と語り始めた。
「いや、その前にも会っている。君はまだ、15歳頃だったかな。私は、18歳と、成人していろいろと責任を負わせられる時期だった。いや、自分で言うのも何だけど、いろんなことに反発していてね」
第一王子である自分と、第二王子のユゥベール。比較されようにも、ユゥベールは絵を描いてばかりで勝負にもならない。このままいけば、自分が王太子、ついては王となる必要があるだろう、そのことは当時の自分には重くのしかかっていた。
とつとつと話し始めた殿下。私も彼の落ち着いた声を聞いているうちに、興奮が収まってくる。
「そこで、ちょっとだけ王宮を黙って抜け出して、公園に行ったんだよ。君の、実家の近くの。そして、桃色の髪の少女に会った」
「そんなことが、すみません。覚えていないです」
「いや、いいんだよ。公園で君は、一生懸命にアリの行列を見ていたんだ」
殿下は懐かしく思ったのか、少し遠い目をしている。
「可愛いく着飾った、貴族の女の子がアリを見ていたかと思うと、その進路上に石を置いた」
「石、邪魔をしたのですか?」
だけど、殿下はそうではない、と語り始めた。
「いや、その前にも会っている。君はまだ、15歳頃だったかな。私は、18歳と、成人していろいろと責任を負わせられる時期だった。いや、自分で言うのも何だけど、いろんなことに反発していてね」
第一王子である自分と、第二王子のユゥベール。比較されようにも、ユゥベールは絵を描いてばかりで勝負にもならない。このままいけば、自分が王太子、ついては王となる必要があるだろう、そのことは当時の自分には重くのしかかっていた。
とつとつと話し始めた殿下。私も彼の落ち着いた声を聞いているうちに、興奮が収まってくる。
「そこで、ちょっとだけ王宮を黙って抜け出して、公園に行ったんだよ。君の、実家の近くの。そして、桃色の髪の少女に会った」
「そんなことが、すみません。覚えていないです」
「いや、いいんだよ。公園で君は、一生懸命にアリの行列を見ていたんだ」
殿下は懐かしく思ったのか、少し遠い目をしている。
「可愛いく着飾った、貴族の女の子がアリを見ていたかと思うと、その進路上に石を置いた」
「石、邪魔をしたのですか?」