嘘つくつもりはなかったんです! お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
今日のお菓子はミニアップルパイ。時間をかけてパイ生地も丁寧に作った。
「あぁ、うん、今日のパイは絶品だな」
もぎゅもぎゅと一つ食べると、もう一つと手を出してくる。
「お兄様。どうして教えてくれなかったのですか、そうであれば、あんな無謀なことしなかったのに」
純潔を捧げた夜のことを思い出す。あの夜、ディリスお兄様は殿下の部下から何か話を聞いているはずだ。でなければ、お父様の直筆の婚約を許可する手紙を得ることはできなかっただろう。
「リアリム。お前、後悔しているのか? 俺は、てっきり二人とも両想いだから、だから宣誓書も署名したと思って父上に依頼したのだが。もしかして、騙されて書かされたのか?」
「あ、お兄様、その、あの夜のことは大丈夫です。私が勝手に、いえ、ウィルティム様と夜を過ごせて、私はとても幸せでした。でも、そのことでウィルストン殿下と婚約することになるとは、思っていなくて」
お兄様は、美味しそうに食べていたパイを一息でゴクンと飲み込んだ。
「あの野郎、俺は、お前が納得しているとばかり思って」
私の桃色の髪よりも赤みが強いお兄様の髪。その赤い髪が燃えているかの如く、ディリスお兄様は怒気をもった目で遠くを睨んでいる。
「あぁ、うん、今日のパイは絶品だな」
もぎゅもぎゅと一つ食べると、もう一つと手を出してくる。
「お兄様。どうして教えてくれなかったのですか、そうであれば、あんな無謀なことしなかったのに」
純潔を捧げた夜のことを思い出す。あの夜、ディリスお兄様は殿下の部下から何か話を聞いているはずだ。でなければ、お父様の直筆の婚約を許可する手紙を得ることはできなかっただろう。
「リアリム。お前、後悔しているのか? 俺は、てっきり二人とも両想いだから、だから宣誓書も署名したと思って父上に依頼したのだが。もしかして、騙されて書かされたのか?」
「あ、お兄様、その、あの夜のことは大丈夫です。私が勝手に、いえ、ウィルティム様と夜を過ごせて、私はとても幸せでした。でも、そのことでウィルストン殿下と婚約することになるとは、思っていなくて」
お兄様は、美味しそうに食べていたパイを一息でゴクンと飲み込んだ。
「あの野郎、俺は、お前が納得しているとばかり思って」
私の桃色の髪よりも赤みが強いお兄様の髪。その赤い髪が燃えているかの如く、ディリスお兄様は怒気をもった目で遠くを睨んでいる。