嘘つくつもりはなかったんです! お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
「リアリム嬢、その、一つ伺いたいのだが」

「はい、なんでしょうか?」

「その、ユゥベール殿下のモデルをする時は、いつも、あの姿なのか?」

 質問なんて何だろうかと思えば、私が絵のモデルをしている時の服装のことだった。

「はい、あの服装は私のお気に入りの冒険者スタイルなのですが、あまり理解されなくて。でも、ユゥベール殿下は面白いと言ってくださったので、あの姿で書いてもらっています」

「そうなのか、ずいぶんと斬新だから、その、先日は驚いてしまって」

「ふふっ、普通はびっくりしますよね、ユゥベール殿下は、そうした意外性がいい、なんて言っていましたよ」

 王子様でも、ユウ君のことなら何を話していても楽しい。普段はひきこもり王子なんて言われているけど、転生前と同じように、今もユウ君はとっても頭がいいに違いない。

 話していても、きちんと世情を追いかけている。それに絵ばかり描いているのは、自分が優秀と思われると、お兄さんであるウィルストン殿下と後継者争いになりかねない。それが嫌だと言っていた。

「リアリム嬢は、その、ユゥベール殿下と大変仲がよろしいかと、」

「えっと、それは、そうですが、恋愛ではありません。趣味が合うだけで、」

< 116 / 197 >

この作品をシェア

pagetop