嘘つくつもりはなかったんです! お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
「リア、僕だって一応王子だからね、基本的なことは一通りできるよ」

 軽やかなステップも間違えずに踊るけど、少し自分勝手な踊り方をしているユウ君と踊るのは、ちょっと難しかった。

「ユウ君、どうして夜会に来たの? いつもは、出席なんてしてなかったよね、」

「ははっ、そうだね。兄上の贈ったドレスを着たリアを視たかったのが一番だけど、ホラ、ここには攻略対象が勢ぞろいしているだろ、リアとチャーリーとか、リアとディリスとか。そっちもみたくってさ~」

「もうっ、いっつもその話なんだね、ユゥベール殿下として、今日はやることいっぱいあるでしょ」

「へっ? あぁ、デビュタント達と踊ること? そっかぁ、僕、王子だもんね、」

 ちょっと嫌そうな、面倒くさそうな顔をしている。ユウ君は、極力王子としての責務を避けてきたのだ。

「今夜は! 少しは王子業もしなさいねっ、折角今夜のユウ君はカッコイイんだからっ」

 少しふくれた顔で諭すように話すと、ユウ君は「わかったよ、リアに言われると弱いよなぁ~」とか、言っている。

 私と踊った後、本当にユウ君はデビュタント達と一緒にいるウィルストン殿下の所へ向かった。






一部のお嬢様たちには、大人の雰囲気を醸し出しているウィルストン殿下よりも、おちゃめな感じのするユゥベール殿下の方が親しみやすいのだろう。

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