嘘つくつもりはなかったんです! お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
昼間のお茶会では、いつも一工夫あるお菓子が並んでいた。今日も味わって食べよう、とそこに向かうと私の方に近づいてくる集団が目に入る。

「あ、イザベラ様」

 普段であれば、あの集団の後方にいる私だけど、この前からイザベラ様から敵認定されている。一緒にいられるわけがない。

「あら、ごきげんよう、リアリム様。今日は可愛らしいドレスですのね」

「は、はい。ごきげんよう、イザベラ様。イザベラ様も、今日も美しさが輝き出るようなドレスですね」

 今日のイザベラ様は濃い銀色のドレスだ。殿下の髪色を模しているのだろう、大振りのアメジストのネックレスにイヤリングと、普段以上に殿下の色を纏っていて、圧を感じる。

「あら、こちらでよろしいのですか? 最近、面白い噂を聞きましてよ。ピンク色の髪の令嬢が、二人の王子を惑わしていると、貴方も先ほどから、殿下達と踊っていらしたわね。何かご存じかしら?」

 イザベラ様が口を開くと、周囲にいる取り巻き令嬢達も話を合わせる。

「えぇ、私も聞きましたわ。同じ日に、ユゥベール殿下のアトリエにいた方が、その後はウィルストン殿下と園庭にいたとか」

「ユゥベール殿下のアトリエでは、なにやら裸に近い姿だったとか」

「私は、ウィルストン殿下を足蹴にしていたという噂を聞きましたわ、なんて酷い」

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