嘘つくつもりはなかったんです! お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
 情熱的な騎士のディリスお兄様に、冷静沈着な側近のチャーリー様。おちゃめな癒し系のユゥベール殿下に、典型的な王子様キャラのウィルストン殿下。

 それぞれが魅力的な人たちで、誰と結婚しても幸せな道が開けそうだけど、同時は違う。

「ユウ君、もうっ、私はそんなこと望んでいないのっ!」

「リア、なんで? 勿体ないじゃん、それぞれの性癖がすっげぇ面白いんだけど。チャーリーは足フェチで、兄上はオッパイフェチ、ディリスなんて、SM好きだぜ? あ、僕はおしりフェチだから、そっちを開発したいけど」

 さっ、最悪だっ、ここに変態がいた。そしてその性癖情報はいらない。私はユウ君に向かって叫んでしまう。

「もうっ、ユウ君なんて最悪! そんなこと言うユウ君なんて大っ嫌い!」

 私は怒りのままにアトリエから飛び出して、そのまま王宮の外まで出てしまった。

 いつものように、ユウ君の用意してくれた馬車に乗るのが嫌で、思わず私は街へ出る定期馬車に乗り込んだ。

 後に、この行動により混乱を引き起こすことになるとは、思いもしなかった。








 部下から報告を受けたチャーリーが、顔を青くする。

「どうした、チャーリー。何か不測の事態でも起こったか」

 このところ、第一王子としての執務室に籠り切りだ。陛下から回される仕事が多いこともあるが、何かに集中していたかった。

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