嘘つくつもりはなかったんです! お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
「それはまだだ。まずは、彼女を見つけるためことを優先した。行こう、まだ日は高い」

「そうだな」

 さっと立ち上がり、俺は外套を羽織る。携帯する武器を確認すると、ディリスと共に自警団の詰所に向かう。

リアリム、頼むから無事でいてくれ。もう既に二日経っていることが気にかかる。焦る気持ちを抑えながら、俺は向かう先に急いだ。





 リアリムを攫った男は、普段はみかけない男に頼まれた、とだけ答えた。その男はリアリムについていた影を襲撃し、その際の戦いで負った怪我のために、リアリムを捨てた現場にはいなかったという。

「で、ここでお前はリアリムを降ろしたのだな」

 ディリスが縛り上げた男を、低い声を出しながら尋問する。

「あ、あぁ、こ、ここだ。この倒れている木の近くに馬車を停めた」

 そこは王都から馬車であれば2時間ほど離れた森の中を通る街道沿いだ。

「それから、この奥に入って、そこに置いた。俺は、何も乱暴もしていない、本当だ、」

 実際に捨てたと言われる場所に行くと、そこには手と口を縛っていたであろうロープが落ちていた。切り口は何か刃物で切ったようにシャープだ。

「まさか、お、俺のナイフ、な、何もしていない、ちょっと脅そうと思っただけだ、そしたら、バチっとはじかれて、それで、そのまま置いてきた」

「そうか、お前は弾かれたか」

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