嘘つくつもりはなかったんです! お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
 と、いうことは。こいつはリアリムを襲うつもりで近づいたということか。ナイフで服を割こうとでもしたのだろう。

 ロープには、血の跡もついていた。きっと、ロープを切る時に肌も切ってしまったのだろう。不幸中の幸いと言うべきか、手足も自由となったリアリムは、街道を目指して歩いたように、足跡が残っていた。

 リアリムが折ったのだろか、街道に出るのを案内するように、所々目印のように枝が折られていた。

 だが、街道にはリアリムがいた痕跡がなかった。

 もしかすると、ここから連れ去られた可能性がある。この街道は王都と南にある花の都を結ぶ主要な街道だ。頻繁に馬車が通るところでもある。

「リア、どこにいるんだ、俺は」

 ここまで来たというのに、何も得ることができない。森の中を探す捜索隊も編成するが、同時にこの街道を通った馬車を探さなければ。

 途方もないことだが、今、リアリムに繋がることは何でもしなければ。彼女がいなくなってから、三つ目の夜が訪れようとしていた。






「リアちゃん、気分はどうかしら?」

「メイティーラさん、ありがとうございます。はい、とても良くなりました」

 街道で意識を失っていた私を助けてくれたのは、この花の都に住むゴウ侯爵夫妻であった。たまたま、王都に用事があったため、帰る途中で私を見つけてくれた。

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