嘘つくつもりはなかったんです! お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
「ハァ、お茶会なんて、でも行かないと、イザベラ様に今度こそ抹殺されそうだわ」
もとはと言えば、自分の失言が原因。
だから仕方がないと思っているけれど、やっぱり発言は最後まで聞いてほしかった。
あの王子様、見掛けは優しそうだけど、意外と俺様なタイプなのかもしれない。
女の話を聞かない男はどこにでもいる。
ため息と共に、今日はパウンドケーキが作られていく。
これは少し寝かせてから、差し入れにしよう。
私とって、騎士団にいる兄へ差し入れを持って行くときだけが、今は唯一の楽しみになっていたのだった。
どれだけ避けたくても、王子からの招待を断ることはできない。
お茶会の当日は、からりと晴れていい風が吹いていた。
「皆さん、ようこそお越しくださいました」
ウィルストン王子は銀の長髪を輝かせ、白のジュストコールとジレという服装であった。
眩い程の輝きを放つその姿に、その場にいた令嬢達はウットリと眺めている。――私を除いて。
今日の私は、いかにして目立たないようにするかを考えて、落ち着いた若草色のドレスを着ている。
これなら、庭園の芝生の色と重なってしまうだろう。
できれば存在自体を消したいので、色だけでも、と工夫してみた。
もちろん、最低限の装飾品にし、化粧もほどほどにしている。何事も平凡を体現したいのだ。
もとはと言えば、自分の失言が原因。
だから仕方がないと思っているけれど、やっぱり発言は最後まで聞いてほしかった。
あの王子様、見掛けは優しそうだけど、意外と俺様なタイプなのかもしれない。
女の話を聞かない男はどこにでもいる。
ため息と共に、今日はパウンドケーキが作られていく。
これは少し寝かせてから、差し入れにしよう。
私とって、騎士団にいる兄へ差し入れを持って行くときだけが、今は唯一の楽しみになっていたのだった。
どれだけ避けたくても、王子からの招待を断ることはできない。
お茶会の当日は、からりと晴れていい風が吹いていた。
「皆さん、ようこそお越しくださいました」
ウィルストン王子は銀の長髪を輝かせ、白のジュストコールとジレという服装であった。
眩い程の輝きを放つその姿に、その場にいた令嬢達はウットリと眺めている。――私を除いて。
今日の私は、いかにして目立たないようにするかを考えて、落ち着いた若草色のドレスを着ている。
これなら、庭園の芝生の色と重なってしまうだろう。
できれば存在自体を消したいので、色だけでも、と工夫してみた。
もちろん、最低限の装飾品にし、化粧もほどほどにしている。何事も平凡を体現したいのだ。