嘘つくつもりはなかったんです! お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
 私を抱えるようにして眠るウィルティム様。今朝の髪の色は漆黒のままだ。

 まだ目をつむって寝ている彼。もぞもぞと動いて、少し起き上がろうとする。けれど、ウィルティム様の腕に捕まっている私は、やはり抜け出すことが出来なかった。

「ハァ、どうしよう。起こすのも嫌だなぁ、私のために、無理していたみたいだし」

 息を一つ吐くと、私に気が付いたのかウィルティム様もパチッと目を開けて私を見た。

「リア、おはよう」

 少し寝ぼけたような声で、囁いてくれる。すると、ギュッと私を抱きしめる腕の力を強める。

「あぁ、リア。いいな、目覚めてすぐに君の顔が見える。うん、いいな」

 確かめるように私の頬をなでると、そのまま顎を持ち上げてチュッと軽くキスをした。

「あっ、ウィル」

「あぁ、何も言わずに君に触れてしまったな、すまない」

「ううん、大丈夫。ウィルなら、どこを触っても大丈夫だから」

 何気なく言った言葉だけど、それを聞いたウィルティム様は身体を一瞬固めている。

「リア、そうやって煽られると、調子に乗ってしまうから」

 ハァ、と息を吐く彼に、私は言葉を伝える。

「あのね、ウィルは今、私の恋人だから大丈夫だよ。どこ触っても」

 そう言った途端、私はぞくりとするような興奮を覚えた。彼が、瞳の奥に欲望を秘めて私を射るように見つめていたからだ。

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