嘘つくつもりはなかったんです! お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
今夜の王宮での舞踏会で、ウィルストン殿下と私、リアリム・ミンストンの婚約が発表される。招待客の前で宣誓書に署名するのだ。
今朝から身体を隅々まで洗われて、コルセットを死ぬほどきつく絞られて、このドレスを着ている。もう、値段とかいろいろと考えるのは止めておこう。銀色のボール・ガウン・ドレスは、肩口が出ていていろいろと心もとない。
けれどお椀型のバストも綺麗におさまって、デコルテに輝くアメジストのネックレスが美しい。
「まさしく、殿下の色よね」
今日は殿下も正装をしている。黒の燕尾には銀色の刺繍が至る所に刺されている。トラウザーズも同色で、ウィルストン殿下の長身の体躯に合わせて仕立てられていた。本来であれば白のタイを、私の髪の色であるピンクに合わせて、薄い桃色にしている。
入場するための待機場で、久しぶりに顔を合わせた。
「殿下、素敵」
「リア、今日は輝く妖精だね。綺麗だよ、誰よりも」
腰をかがめて、額にキスを落とす。唇にはもう輝くような紅を指してあるから、落とすわけにはいかない。
「リア、こんなにもなし崩し的に婚約式になってしまって、ゴメンよ」
手袋越しに、頬に触れる殿下の紫の瞳が揺れている。それはそうだろう、私はこの婚約式に出席することを了解した覚えがない。
ただ、これほど慌ただしく私たちが婚約することになった原因は、私にもあった。
今朝から身体を隅々まで洗われて、コルセットを死ぬほどきつく絞られて、このドレスを着ている。もう、値段とかいろいろと考えるのは止めておこう。銀色のボール・ガウン・ドレスは、肩口が出ていていろいろと心もとない。
けれどお椀型のバストも綺麗におさまって、デコルテに輝くアメジストのネックレスが美しい。
「まさしく、殿下の色よね」
今日は殿下も正装をしている。黒の燕尾には銀色の刺繍が至る所に刺されている。トラウザーズも同色で、ウィルストン殿下の長身の体躯に合わせて仕立てられていた。本来であれば白のタイを、私の髪の色であるピンクに合わせて、薄い桃色にしている。
入場するための待機場で、久しぶりに顔を合わせた。
「殿下、素敵」
「リア、今日は輝く妖精だね。綺麗だよ、誰よりも」
腰をかがめて、額にキスを落とす。唇にはもう輝くような紅を指してあるから、落とすわけにはいかない。
「リア、こんなにもなし崩し的に婚約式になってしまって、ゴメンよ」
手袋越しに、頬に触れる殿下の紫の瞳が揺れている。それはそうだろう、私はこの婚約式に出席することを了解した覚えがない。
ただ、これほど慌ただしく私たちが婚約することになった原因は、私にもあった。