嘘つくつもりはなかったんです! お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
「以前、メイティーラからも同じ形状のものを贈られてね。そうか、特別なものだったのか」

 それを隣で聞いていたメイティーラ様が、お顔を真っ赤にしている。お二人はとっても仲が良い。

「メイティーラ様、今度フンドシの使い方をお伝えしますわ」

 いろいろと用途がありますよ、縛ったり。縛ったり。縛ったり。きっと、マンネリ防止に役立ってもらえるような気がする。

 本当はあまり知識はないけれど、今度ユウ君に聞いておこう。さっきの様子なら、きっといろいろと知っていそう。

 他にも挨拶をしたいと行列ができ始めたので、「また今度、ゆっくりと食事でも」と約束をしてお二人と別れる。本当に、ゴウ侯爵夫妻に助けてもらえて良かった。

 一連の挨拶を終えると、今度はディリスお兄様がそっと近づいてきた。私の誘拐事件では、犯人を突き止めた一番の功労者だと聞いている。

「お兄様、本当に、心配ばかりかけてすみません」

「全く、手のかかる妹だけど、今度からは、俺ではなくてウィルストン殿下を頼るんだぞ」

 ポン、とその手を私の頭の上に置いた。それはこれまで、妹の私を慈しんできた手だった。

「お、お兄様」

 思わず感激で涙ぐみそうになる。

「コラ、リアリム。まだ婚約だけで、結婚式ではないからな。お前はまだ、ミンストン伯爵令嬢だから、そのことを忘れるなよ」

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