嘘つくつもりはなかったんです! お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
「イ、イザベラ様、今日もご機嫌麗しく、とても派手、じゃない、麗しいドレスです、ね、」

「あのね、私が伺っていることは、殿下が何を貴方に話されたか、よ」

うわぁ、超ご機嫌悪し。殿下と話をされなかったのかなぁ、、

「は、はい。私の趣味の、お菓子作りについて少し、話をしました」

「そう、それで?最後は手を握られていたようだけど?」

 そ、そこまで見られていたなんて! どうしよう、

「あ、はい。でも、皆さまの所に行って、一緒にお話をしましょう、と、」

 まさか、二人で薔薇を見に行きましょうと誘われたことは言えない。どんどん、手に汗を感じる。

「、、そう、それなら、貴方。わかっていますわ、ね」

 何だろう、殿下に手をだすな、と言うことよね、きっと。

「はい、もちろん自分の身の丈はわかっています。私はイザベラ様のように、完璧な淑女ではありませんから」

「、、わかっているなら、いいのよ」

 あぁ、怖い。だけど、何とか乗り切れた、かな?
本当に、王子様に関わると良いことがない。心臓に悪い。

 そんな風に思っていると、お茶会の終了時刻となっていた。

 出口では、ウィルストン殿下が立って、一人ひとりに挨拶をしている。

 王子様だなんて、遠くに眺めているくらいがちょうどいい。
庶民の私には、王族なんてテレビの向こうの世界に等しいのだ。

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