嘘つくつもりはなかったんです! お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
「そうなの。でも、こちらから断るのは角が立つでしょう?何とかして王子様が私のことなんて忘れて、イザベラ様を選べばいいのにって、思っているのだけど」

「まぁ、話はうまくいかないよな~」

「はぁぁ~、どうにかして、嫌われないかなぁ、ウィルストン王子の嫌いな女性って、どんな人だろう」

 もうすでに、目立たない姿では嫌われることはない。だとしたら

「ねぇ、お兄様。私に恋人がいれば、王子様も興味を失ってくれるわよね」

「は? お前に恋人? まぁ、一般的には恋人のいる女性に手をだすことはないな」

 そんな会話をしていると、ウィルティム様が近づいてきたのが見える。

「あ、ウィルティム様! 今日はパウンドケーキですよ!」

 にこっと笑うと、ウィルティム様も太陽のように輝く笑顔をこちらに向けてくれた。

「いつもありがとう。早速、いただこうかな」

 お兄様用のケーキと違って、かわいらしくラッピングしたものを手渡す。

こうして手作りのお菓子を食べてくれることって、とっても嬉しい。

「どうですか? お味は」

「うん、ラム酒が効いているね、美味しいよ」

 よかった、気に入ってくれたみたい。今回は大人っぽいケーキにしてよかった。

「この前は落ち込んでいたようだけど、今日はもう大丈夫なのかな?」

 ウィルティム様は目を細めて聞いてくれた。

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