嘘つくつもりはなかったんです! お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
「そっか、王子の婚約者が嫌なんだね。では、王子の人となりを好きになれば、大丈夫なのかな」

 最後のところは呟くようだった。

「えっ? 何か言われましたか?」

「あ、いや、こっちの一人言だよ。ええっと、仮の恋人ってことだけど、俺としては、本物でも構わないけど?」

「はっ、はい?」

「本物の、恋人になろうって、話」

 想像していなかった答えに、思わずドキンとしてしまう。

「えっと、それは、それで問題があるかもしれませんし」

 ここでチラッとお兄様を見る。
さっきから、私とウィルティム様のやりとりを傍観しているが、次期伯爵としてはやはり妹には堅実なところに嫁入りして欲しいだろう。

貴族ではないウィルティム様と、あれこれあっては問題になるかもしれない。
そう思っていると、ディリス兄さんが口を開いた。

「よし、リアリム。ウィルティムに期限付きの恋人になってもらう、で、どうかな?」

「期限付き?」

「あぁ、そうだ。とにかく、殿下がお前に執着しなくなればいいのだから、期間はそれまで。それでいいか?ウィルティム。その後のことは、また二人で決めればいい」

「お兄様がいいと言ってくれるなら、嬉しい」
「ああ、それでいい」

 ウィルティム様だけに負担が行きそうだけど、それでいいのかなぁ

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