嘘つくつもりはなかったんです! お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
「あ、それはルートによるけど、で、リアはどのルートなの?やっぱり王太子ルート? それとも、義理兄の騎士ディリス? もしかして側近のチャーリー?」

「はぃぃ? ディリス兄さまは、本当のお兄様よ。義理でも何でもないわ。だって、顔だって結構似ているし、そんな恋愛対象になんてなりえないわ」

「えぇぇ! 何だろう、設定が変わっているのか? 兄上のウィルストン殿下を見た時から、この世界は乙ゲーだと思ったのに、なぁ~」

「チャーリー様も、あり得ないわ。あの方、いつもウィルストン殿下の傍にいるもの。確かに素敵な方かもしれないけど、私が好きなのは、あっ」

「へぇ、リア。もう好きな人がいるんだ」

 ユウ君はにたっと笑って、揶揄うような視線で私を見る。

「もうっ、いいでしょ。それよりユウ君。その引きこもりって、何よ。もしかして漫画ばっかり描いているの?」

「漫画じゃないよ、油絵だ。結構、この世界では前衛的だといわれていて、一部のコレクターには受けがいいんだよ」

「まぁ、確かに。昔っから絵が上手だったもんねぇ」

 転生前のユウ君は、緻密な絵を描けるからかエンジニアになっていたような気がする。

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