嘘つくつもりはなかったんです! お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
 何か、ゆう君、キャラがチャラくなっていないか?

「えぇぇ、でも、うーん、」

 ニホンのゆるゆるな純潔意識と違って、ここでは貴族令嬢の乙女の価値は高い。そんなに簡単に捨てていい物かと考えてしまう。

「何なら、僕が相手しようか? って、そうすると僕と結婚ってなりそうだけど」

「それは、もっと嫌。初めてならウィルティム様がいい」

「じゃ、決まり。ウジウジしないで、決めちゃいなよ。ぱぱっと済ませれば、もう悩むこともないし」

 ユウ君は軽く言うけれど、でも、確かにいい方法かもしれない。

 この世界の人よりは純潔にこだわりはないし、っていうかウィルティム様に貰って欲しい。
結婚出来たら一番だけど、貴族じゃない彼とは難しい。

 でも、そっか。ウィルティム様にお願いして、思い出にしてこの恋を終わらせるのも一つかもしれない。

ゆう君の言う通り、一発やってしまおうか。

 私は毒されるように、ユウ君からの提案を受け入れようとしていた。

「でも、私から誘うなんて、恥ずかしすぎて無理」

 ニホンであれば、それらしい雰囲気の場所に行けば、なんとなく誘えそうだけど。この世界ではそんな雰囲気になれそうなところが思い当たらない。

「酒飲むところ、とかは? 僕も一度、連れられて行ったことがあるよ」

 さすがにユウ君は社会勉強として、娼館とか酒場にも行ったことがあるみたいだ。

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