嘘つくつもりはなかったんです! お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
万一、リアリムが傷ついて行き場がなくなった場合には、考えなくもないが。

 まずは、リアリムの想いが大切だ。そう思った俺は、この秘密を守ることを改めて思う。

彼女の幸せが、何よりも大切だからだ。

 だが、殿下もとっとと指名すればいいものを。
妹も指名されさえすればウジウジ悩まないで、覚悟を決めるだろう。

「リアリム、俺、お前のいいお兄様になっているかな、」

 何度目かのため息を、深くついた。できれば、明かしたくはないこの秘密。

と、その一方で俺の中にはどろどろとどうしようもない劣情が住み着いていることも知っている。

普段は表に出てくることはないが、さっきの言葉を聞くと、俺こそがお前の理想の男だ、と口説く言葉が俺の口から飛び出そうになった。

 俺は時計を見ると、訓練はもう既に始まっている時間だった。

重たい身体に気合を入れて、訓練場に向かう。

今日のマドレーヌは、誰にも分けない。俺が全て貰う――今は、これだけは。







「えっと、ここかなぁ、マミーエル。あ、ここだ!」

 私は早速、準備をした。お兄様の様子をみると、ウィルティム様に普通にお願いしても一緒に居酒屋に行くことはできないだろう。で、あれば。

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