嘘つくつもりはなかったんです! お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
「幻聴ではないと思います。あの、私とエッチして欲しいんです。純潔を奪って欲しいの、ウィルティム様に」


「――!!!――」


 目をカッと開いて驚いているウィルティム様。そのうち口をパクパクとさせてきた。

「な、何故、ど、どうしたというんだ、リアリム嬢、」

 私も、もう一度エールをぐいっと飲んで、勢いをつける。

「はい、純潔がなくなれば、いいかげんに王子も私のことを諦めてくれると思って。それに、初めてはウィルティム様がいい」

「――俺が、いいのか?」

「はい、大好きです」

 わわわ、はっきり告げてしまった。私、かなり酔っている。でも、でも、この恋は本気。そして、初めてを捧げたいのも、本当。

「そう、か、、だが、乙女の純潔をもらうからには、俺は責任をとりたい」

 真面目な顔をしたウィルティム様は、背筋を伸ばして真っすぐな目で私を見つめてくる。

「あ、そういうのは大丈夫です。気軽に考えてください。据え膳、くらいで。私、そんな結婚まで責任取って、というつもりはありません」

 私の返答が意外だったのか、ウィルティム様はまたもポカーンとしてしまった。確かに、こんなにも純潔を軽くみている貴族女性はいないだろう。

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