嘘つくつもりはなかったんです! お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
殿下は留学していることにして、鍛えるためにウィルティムと姿を変えて騎士団に所属していたことなどを説明してくれた。そして、ウィルティムの姿であった時に出会った私に恋をしたから、本当の姿であるウィルストンとして恋して欲しいと、アプローチしたのだと説明してくれた。

「そんな、殿下。もっと早く教えてくれたら、私」

 こんなバカなことをしないで済んだのに、と言いたかったがさすがに止めておいた。

「でも、君はきっとウィルティムである私のことも、諦めていただろう?」

 それは、きっとそうだ。あれだけ殿下から逃げたかった私だから、ウィルティム様がウィルストン殿下とわかった時点で、距離をとっていただろう。

「はぁ~、嬉しいよ、リア。これで私の婚約者になってくれる、ね」

「はいっ? で、殿下、それとこれとは、あの」

「昨日、宣誓書にサインしたよね。純潔を捧げた暁には、私がどんな立場であってもミンストン伯爵の許しがあれば結婚する、と」

「え、それは、そうでしたっけ?」

「はい。これをよく見て。あと、こっちはミンストン伯爵の許可。昨夜、君が寝ている間に君のお兄さんに動いてもらったよ。あと、これは騎士団長が見届け人に署名してあるから、簡単には覆すことは出来ないからね」

「はいっ?」

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