嘘つくつもりはなかったんです! お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
思わずイエスと答えそうになるが、相手は第一王子なのだ。
流されてしまうとすぐに王子妃になってしまう。

「もちろん、私の子種をたくさん注いだから、楽しみだね、リア」

「ひっ!」

 そう、彼は避妊していない。妊娠していても、おかしくない。ウィルティム様の子を授かることができたら、喜んで産もうと思っていた。だから、避妊薬は飲んでいない。

 それが、第一王子の子どもとなると、話が全く違ってくる。第二王子のユゥベール殿下はあのユウ君だ。王位になんて絶対に着きたくない、と宣言していた。と、なると、ウィルストン王子がそのまま王太子に、ゆくゆくは王様になることは確実だ。

 そうすると、私の産む子どもは王子様ということになる。

「そ、そんな」

 改めて、昨夜の私の行動を後悔する。が、もう遅い。

「リア、好きだよ。大丈夫、大切にするよ」

 甘くささやく声が、悪魔のささやきのように聞こえてくる。改めて自分の状況を思い起こした私は、

「のぉぉぉぉぉ――――――――!」

 と叫んでしまった。あぁ誰か。どうしてこうなってしまったのか、教えて欲しい。

 その日、私はどうやって伯爵邸に戻ったのか覚えていない。誰かに着替えさせられて、馬車に乗り帰ったらしい。

< 94 / 197 >

この作品をシェア

pagetop