天才的ドクターの純愛〜封印したはずの愛する気持ちを目覚めさせたのは二十歳の彼女だった
「大我先生、退院したら本当に不安な気持ちが先生を求めているだけなのか、確かめさせて、お願い」

俺が病室を出ようとして真由香さんに向けた背中に声をかけてきた。

そして、真由香さんはベッドから立ち上がり、俺の前にきて、背伸びをして俺の唇にキスをした。

「手術頑張るね」

真由香さんは俺にギュッと抱きついた。

俺も彼女をギュッと抱きしめた、そして彼女の唇にキスをした。

そして三日後真由香さんの手術が始まった。

俺は真由香さんの手術の日、仕事どころではなかった。

最上を信頼していないわけではなかった。あいつは優秀な外科医だ。

ただ俺は完全に患者の家族の気持ちになっていた。

LINEが未読だった時、居ても立っても居られない気持ちで心配で仕方なかった。

真由香さんの病室に駆けつけた時、彼女の姿を確認出来て、どんなに安心したか、彼女にキスされた時、どんなに愛おしかったかやっと分かった。

彼女を抱きしめキスをした俺はもう彼女を放っておくことなど出来なかった。

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