天才的ドクターの純愛〜封印したはずの愛する気持ちを目覚めさせたのは二十歳の彼女だった
最上先生はすぐに診察をしてくれた。

私はしばらくベッドから動けない状態だった。

内科病棟で倒れた私の様子で大我先生に会いに行ったんだろうと最上先生にバレてしまった。

「おい、真由香さんは大丈夫か」

俺は騒ぎに気づいて慌てて外科病棟にやってきた。

「お前は真由香をどう考えてるんだ、いい加減な気持ちなら思わせぶりなことするんじゃねえよ」

俺はそんなつもりでは……

でも忙しくてスマホも未読だった、いやそうじゃない、怖くて真由香さんからのLINEは開けなかった。

真由香さんがキスしてくれたことを、調子に乗って俺からまたキスして抱きしめて、真由香さんはどう思っただろうか。

確かめることも出来ないまま時間だけが過ぎていた。

「大我、あんなにお前を思ってくれる子はいないぞ」

そんな矢先だった。

真由香さんの元に見舞いに現れた男性がいた。

溝口明、二十三歳、真由香さんの元彼だ。

「すみません、松本真由香さんがこちらに入院していると聞いてきたのですが何号室ですか」

< 32 / 85 >

この作品をシェア

pagetop