八城兄弟は僕(=わたし)を愛でたい!
「……また! そうゆうことを」

 恥ずかしげもなく真顔で言うから、こっちが照れてしまう。

 椿くんって、掴めない人だ。クールで無愛想な印象なのに、意外とストレートに伝えてくるんだもん。

 真っ赤になった頬を冷ましていると、ぐっと抱き寄せられて動けなくなる。

 なになに⁉︎ さっきから、椿くんの行動が理解できない。どうしちゃったの……。

「ちゃんと隠しなよ。碧ちゃんは、俺だけの前にして」

「……はい」

 ドキドキしてる。
 これは、わたしじゃなくて椿くんの音。

 まだ自分の体のままだ。男子に戻らないのは、心拍数が上がっているからなのかな。

 髪や腰をつつまれている部分から、甘い感触が溢れ出てくる。

 こんなの、知らない。心臓がいくつあっても足りないよ。
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