華夏の煌き
学舎でまだ学生である星羅と違って、京樹はすでに占い師見習いとしての職を得ている。太極府の最高責任者である陳老師から、京樹を占い師として太極府へ来てほしいと言われたとき、彰浩も京湖も反対はしなかった。しかし占い師であった親友の胡晶鈴が、能力をなくして太極府を追われたことを知っているので不安だった。
陳老師が言うには、京樹は星読みとして知識と洞察力を要求されるため、能力をなくすことはないと教えられた。確かに突然、占えなくなるのは偶然性を使って占う卜術の占い師たちだった。それでも心から京樹の太極府入りを心から喜ぶことはできなかったようだ。
京樹も、もちろん星羅も今は胡晶鈴のこと、京湖の出自やこれまでのことは理解していた。かといって何かをどうする事もできない。請われるまま、太極府で京樹は占星学に励んでいる。彼自身はこの仕事は自分に合っていると感じており、星を見ることは好きだった。
「空の星も、地の星も……」
一番星と星羅を交互に見る。どちらも輝いていると京樹は心を温かくしていた。
38 想像
家族4人で食卓を囲み、いつまでも続いてほしいと願う団らんの中、京樹から、これから夕方から明け方にかけて太極府に通うようになり、そのうち太極府の寮に入るかもしれないと話を聞かされた。今までの生活が変わっていくのかもしれないと京湖は不安を覚えたが、京樹には明るい未来が見えているのか明るい表情だ。京湖はふと息子の京樹の、星羅に対するまなざしが特別のものに感じる。兄妹として互いに思いやりを持ち合う仲の良さはあったが、今夜は特別京樹が星羅に対して優しい気がする。
「ほら、また口の端に咖哩のつゆがついてるよ」
「えー、どこどこ」
「ほらここだよ」
胸元から出した、手ぬぐいで京樹は星羅の口元をぬぐう。
「どうして京にいはつかないのかしらね」
「さあね」
他愛もないやり取りなのに兄妹のそれとは違うように感じる。2人はお互いが兄妹でないことを知っているが、兄妹として育っている。いつか男女の情が湧いてもおかしくないかもしれない。京湖は、二人が良ければ大人になって結ばれてもよいと思った。同じ年なら女の子のほうが恋愛に対して早熟なのではと思うが、星羅のほうは全くその気配がない。京樹と星羅が結ばれて、孫の世話をすることを想像して思わず京湖は笑んでいた。
「どうかしたのか?」
陳老師が言うには、京樹は星読みとして知識と洞察力を要求されるため、能力をなくすことはないと教えられた。確かに突然、占えなくなるのは偶然性を使って占う卜術の占い師たちだった。それでも心から京樹の太極府入りを心から喜ぶことはできなかったようだ。
京樹も、もちろん星羅も今は胡晶鈴のこと、京湖の出自やこれまでのことは理解していた。かといって何かをどうする事もできない。請われるまま、太極府で京樹は占星学に励んでいる。彼自身はこの仕事は自分に合っていると感じており、星を見ることは好きだった。
「空の星も、地の星も……」
一番星と星羅を交互に見る。どちらも輝いていると京樹は心を温かくしていた。
38 想像
家族4人で食卓を囲み、いつまでも続いてほしいと願う団らんの中、京樹から、これから夕方から明け方にかけて太極府に通うようになり、そのうち太極府の寮に入るかもしれないと話を聞かされた。今までの生活が変わっていくのかもしれないと京湖は不安を覚えたが、京樹には明るい未来が見えているのか明るい表情だ。京湖はふと息子の京樹の、星羅に対するまなざしが特別のものに感じる。兄妹として互いに思いやりを持ち合う仲の良さはあったが、今夜は特別京樹が星羅に対して優しい気がする。
「ほら、また口の端に咖哩のつゆがついてるよ」
「えー、どこどこ」
「ほらここだよ」
胸元から出した、手ぬぐいで京樹は星羅の口元をぬぐう。
「どうして京にいはつかないのかしらね」
「さあね」
他愛もないやり取りなのに兄妹のそれとは違うように感じる。2人はお互いが兄妹でないことを知っているが、兄妹として育っている。いつか男女の情が湧いてもおかしくないかもしれない。京湖は、二人が良ければ大人になって結ばれてもよいと思った。同じ年なら女の子のほうが恋愛に対して早熟なのではと思うが、星羅のほうは全くその気配がない。京樹と星羅が結ばれて、孫の世話をすることを想像して思わず京湖は笑んでいた。
「どうかしたのか?」