カタストロフィ


ずいぶんと格好つけた台詞だが、これは本心だ。
どこまでもユーニスを優先することこそが欲望の根源である以上、彼女が乗り気ではないならどんなタイミングでも切り上げることが出来る。
勿論、そうはならないように最大限努力はするが。

「ふぅっ、んんっ」

明らかに快楽とは程遠い声が漏れているが、それでもユーニスの口からは制止の言葉が出ない。
我慢をさせている申し訳なさと、我慢したいと思ってくれる程度の情は持たれている喜びがせめぎ合い、ダニエルの脳を蝕んでいく。

長い時間をかけ、ようやく男根が根本までユーニスの花園に埋まった。
その狭さに、処女を奪っているかのような錯覚を覚える。

「やっと入った……ユーニス、大丈夫?痛みは?」

「少しだけ」

正直に答えた唇を労るようになぞり、ダニエルは深く口付けを落とした。
舌をねっとりと舐めしゃぶりわざと音を立てて責めれば、男根を包み込むユーニスの媚肉がかすかに反応する。
ただ狭いだけではなくジワジワとぬかるんできたそこを優しく揺さぶると、程なくしてユーニスの吐息が乱れてきた。

グチュッグチュッと粘着質な水音がし始めた瞬間、ユーニスは羞恥で赤く染まると同時に切なげに嬌声をあげた。

「ぁっああっ!や、なに、このかんかく」

ユーニスが恥ずかしがれば恥ずかしがるほど、秘所からは蜜が滴り落ちる。
長年ユーニスを慕い続けてきたダニエルだが、歳の離れた彼女に対して〝可愛い〟と思ったのは今が初めてであった。

(こんなに必死になって腰を振って、はしたなくよだれを垂らして、トロトロに蕩けた目で僕を見て……。そうか、ベッドで女性を可愛がるとはこういうことか)

それは、強烈な支配感と優越感を多分に含んだ愛だった。
その味はまるで麻薬で、一度味わうともう二度と忘れられそうにないほど依存性が高い。

ゆっくりとしか動かないダニエルに焦れたのか、ユーニスの腰はぎこちなく動いていた。
その受け身なのに積極的な姿に大変興奮し、ダニエルは彼女のほっそりとした膝裏を深めに押し倒した。

「あっああああぁっ!!」

より深く、よりぴったりと、男根が入り込む。
もはや自制する気もないのか、ユーニスの喘ぎ声は絶叫に近かった。
規則的に、優しく揺すぶるように一定方向へ抜き差しする。
そうしていると、シーツをきつく掴んで離さなかったユーニスの細腕がダニエルの背中に絡んできた。

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