幽霊少女は30秒を少年に 少年は一生を幽霊少女に
僕たちは少し遅れてお店に入った。
叶はお店の中のいろいろな家具に興味を持っていた。
幽霊は壁をすり抜けたりしながら、家具を見たりしてふわふわと楽しんでいた。
僕は椅子が置いてあるコーナーに向かった。
あまり自分で家具を選びに来ないこともあり、想像以上の種類に驚いた。
「こう見ると結構種類あるよね」
美月は僕の後ろから声をかけ、そのまま言葉を繋いだ。
「叶さんが座ることを想像してみて、似合いそうなのを選べばいいんだよ」
選ぶヒントをくれた美月に、振り返ってお礼を伝えた。
叶に似合いそうな椅子か…
優しくて、明るい性格の幽霊が使う椅子。
少し悩んでいた時、パッと目に留まる椅子があった。
白が基調となっている中で、派手すぎない水色のワンポイントが入っている椅子だ。
優しい色使いが叶にぴったりだと思った。
椅子脚は僕が使っているのと同じように木でできていた。
「これかな。美月はどう思う?」
「いいじゃん可愛いし、私が貰いたいぐらいだよ」
僕は叶が見ていないことを確認して、店員さんにこの椅子を買うことを伝えた。
貰ったお金で足りそうな値段を提示された。
お金を払うと、店員さんは箱詰めされている商品を取りに倉庫に向かっていった。
「ねぇもう買っちゃったの?私が選んであげたかったな」
叶が後ろから声をかけてきた。
「いい感じのやつがあったから。もう決めちゃったんだ」
叶はしょんぼりとしていた。
「お待たせしました。重いから気を付けて持って帰ってね」
倉庫から出てきた店員さんは、大きめの箱を僕に手渡した。
お礼を伝えて僕たちはお店を後にした。
重いと伝えてもらっていたが、想像より軽くて負担にはならなかった。
できるだけ急いで帰らないと。
外はすっかり暗くなっていた。
駅に着き、さっきの駅員さんに対応してもらい電車を待った。
タイミングが良かったのかすぐに電車が来た。
電車の中は僕たち以外誰も乗っていなかったから、三人で並んで座った。
美月はあくびをしながら、目元をこすっていた。
さすがに急に連れまわしたこともあり疲れてしまったのだろう。
そんなとき僕のお腹が鳴った。
「お腹空いたね」
「夜ごはん何かな?」
二人が気を使ったように言ってきたこともあり、ただ恥ずかしかった。
あっという間に電車は僕たちが降りる駅に着いた。
改札機の前には、連絡先をくれた駅員さんがいた。
「みんなおかえり」
駅員さんは温かく迎えてくれた。
「荷物大きいけど大丈夫そう?」
「平気です。大きいだけであまり重くないので」
「怪我しないように気をつけてね」
最後まで駅員さんは優しかった。
歩きながら美月は携帯をつけた。
「そういえば修くん私の連絡先入ってるよね」
「それは入ってるでしょ。入ってなかったら美月に連絡できないじゃん」
僕は確認のために椅子の入った箱を置いて、携帯をつけた。
連絡先一覧を開くと、身に覚えのない一つの電話番号以外登録されていなかった。
叶はお店の中のいろいろな家具に興味を持っていた。
幽霊は壁をすり抜けたりしながら、家具を見たりしてふわふわと楽しんでいた。
僕は椅子が置いてあるコーナーに向かった。
あまり自分で家具を選びに来ないこともあり、想像以上の種類に驚いた。
「こう見ると結構種類あるよね」
美月は僕の後ろから声をかけ、そのまま言葉を繋いだ。
「叶さんが座ることを想像してみて、似合いそうなのを選べばいいんだよ」
選ぶヒントをくれた美月に、振り返ってお礼を伝えた。
叶に似合いそうな椅子か…
優しくて、明るい性格の幽霊が使う椅子。
少し悩んでいた時、パッと目に留まる椅子があった。
白が基調となっている中で、派手すぎない水色のワンポイントが入っている椅子だ。
優しい色使いが叶にぴったりだと思った。
椅子脚は僕が使っているのと同じように木でできていた。
「これかな。美月はどう思う?」
「いいじゃん可愛いし、私が貰いたいぐらいだよ」
僕は叶が見ていないことを確認して、店員さんにこの椅子を買うことを伝えた。
貰ったお金で足りそうな値段を提示された。
お金を払うと、店員さんは箱詰めされている商品を取りに倉庫に向かっていった。
「ねぇもう買っちゃったの?私が選んであげたかったな」
叶が後ろから声をかけてきた。
「いい感じのやつがあったから。もう決めちゃったんだ」
叶はしょんぼりとしていた。
「お待たせしました。重いから気を付けて持って帰ってね」
倉庫から出てきた店員さんは、大きめの箱を僕に手渡した。
お礼を伝えて僕たちはお店を後にした。
重いと伝えてもらっていたが、想像より軽くて負担にはならなかった。
できるだけ急いで帰らないと。
外はすっかり暗くなっていた。
駅に着き、さっきの駅員さんに対応してもらい電車を待った。
タイミングが良かったのかすぐに電車が来た。
電車の中は僕たち以外誰も乗っていなかったから、三人で並んで座った。
美月はあくびをしながら、目元をこすっていた。
さすがに急に連れまわしたこともあり疲れてしまったのだろう。
そんなとき僕のお腹が鳴った。
「お腹空いたね」
「夜ごはん何かな?」
二人が気を使ったように言ってきたこともあり、ただ恥ずかしかった。
あっという間に電車は僕たちが降りる駅に着いた。
改札機の前には、連絡先をくれた駅員さんがいた。
「みんなおかえり」
駅員さんは温かく迎えてくれた。
「荷物大きいけど大丈夫そう?」
「平気です。大きいだけであまり重くないので」
「怪我しないように気をつけてね」
最後まで駅員さんは優しかった。
歩きながら美月は携帯をつけた。
「そういえば修くん私の連絡先入ってるよね」
「それは入ってるでしょ。入ってなかったら美月に連絡できないじゃん」
僕は確認のために椅子の入った箱を置いて、携帯をつけた。
連絡先一覧を開くと、身に覚えのない一つの電話番号以外登録されていなかった。