アンドロイド・ニューワールドⅡ
奏さんの車椅子を押して、エレベーターに乗りながら。

目的地に辿り着きました。

この学園のエレベーターは良いですね。手すりがついていて、中も広々としていますし。

何より、エレベーターに乗っていた生徒の態度が良いです。

車椅子に乗る奏さんを見て、さっと場所を譲り。

ボタンの前に立っている生徒が、何気ない風に「何階に止まりますか?」と聞いてくれ、ボタンを押してくれました。

更に、目的の階に到着すると、私と奏さんがエレベーターを降りるまで、ご丁寧に「開」ボタンを押し続けてくれました。

それらを全て、当たり前のことのように行ってくれるのです。

星屑学園だったら、有り得ない行動ですね。

学校として、格の違いを感じます。

何だか負けた気分ですが、こればかりは私の意思でどうにか出来ることではありません。

仕方ありませんね。

…さて、そんな愚痴はともかく。

目的地に辿り着きました。

「ここですね。碧衣さんのクラスは」

と、私は言いました。

「ほ…本当にやってたんだ」

と、奏さんは呟きました。

碧衣さんのクラスでは、参加型の出し物を行っています。

その名も。

「宇宙からの恐怖〜宇宙人お化け屋敷〜」です。

…とても興味深いテーマです。

「宇宙人とお化け屋敷って…一体どういう発想の転換なんだろう…」

「斬新で面白いのではないでしょうか?」

「だよね。瑠璃華さんも、宇宙人喫茶とか言ってたし…。発想のレベルが同じだよ」

と、奏さんは言いました。

この出し物を考案した方は、私と気が合いそうですね。

「宇宙人がお化けって…。何だか意味不明で、それがまた恐怖を煽ってくるよ…」

「では入りましょうか、奏さん」

「えっ、入るの?」

と、奏さんは驚いたように振り向きました。

…?

「…入らないのですか?」

「え?いや、だって…。よく分からな過ぎて不気味だし…」

「奏さんは入りたくないのですか」

「俺…お化け屋敷系は苦手なんだけど…」

「…」

「…」

と、お互い無言で、私と奏さんはお互いの目を見つめ合いました。

…そうですか。

奏さんが苦手だと仰るなら、仕方ありませんね。
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