アンドロイド・ニューワールドⅡ
2017番。
コードネーム『キルケー』ですか。
他局の『新世界アンドロイド』ですが、何度か面識はあります。
彼女が、三人目の『人間交流プログラム』の被験者となるのですね。
「何故、彼女が選ばれたのですか?」
「第1局の、橙乃(とうの)局長の希望でね。『人間交流プログラム』が効果を上げているという報告を聞いて、自分の局からも一人、被験者を出したかったみたいだね」
と、久露花局長は言いました。
成程。橙乃局長のご意向ですか。
「そこで、精神的にも安定していて、比較的早く、人間の感情を学習出来る素養がある…見込みがある『新世界アンドロイド』として、2017番が選ばれたらしい」
「らしい、ということは、それも橙乃局長の意向なのですか」
「うん。橙乃局長が決めて、2017番…キルケーちゃんも同意したらしいよ」
と、久露花局長は言いました。
…でしょうね。
2017番の性格を考えると、彼女が『人間交流プログラム』を勧められ、断ったり、嫌がったりするとは思えません。
それが、例えどのようなプログラムだったとしても、です。
「こう言っては何ですが、第1局の…橙乃局長は、他局に遅れを取ることを嫌がる傾向がありますので…。碧衣さんのいる第2局、そして瑠璃華さんのいる私達第4局で、『人間交流プログラム』が成果をあげていると聞いて、自局からも一人は参加させたかったのでしょうね」
と、朝比奈副局長は、苦笑いをしながら言いました。
そうですね。私もそうだと思います。
別に悪意がある訳ではありません。他局を蹴落としてやろうという意志もありません。
ただ橙乃局長は、無意識なのか、意識しているのかは分かりませんが。
非常に、負けず嫌いな性格なのです。
そしてその負けず嫌いの性格は、彼女の造った2017番にも、そっくり受け継がれています。
「それで瑠璃華ちゃん。君は名実共に、先輩になる訳だ」
と、局長は言いました。
「『人間交流プログラム』の先輩ですか」
と、私は言いました。
これまでは、『人間交流プログラム』に参加しているのは、私と碧衣さんの二人だけだったので。
碧衣さんが先輩、私が後輩という関係でしたが。
これからは、私は先輩でもあり、後輩でもあるという、微妙な立場に立たされる訳です。
人間であったら、真ん中の子はグレる、などという迷信が、まことしやかに囁かれていますが。
あれは本当なのでしょうか。
本当だとしたら、私もグレる可能性があります。
「そうだね。『人間交流プログラム』の先輩であり…そして、君の通ってる星屑学園においても、瑠璃華ちゃんは先輩になるんだよ」
と、久露花局長は笑顔で言いました。
…何ですと?
コードネーム『キルケー』ですか。
他局の『新世界アンドロイド』ですが、何度か面識はあります。
彼女が、三人目の『人間交流プログラム』の被験者となるのですね。
「何故、彼女が選ばれたのですか?」
「第1局の、橙乃(とうの)局長の希望でね。『人間交流プログラム』が効果を上げているという報告を聞いて、自分の局からも一人、被験者を出したかったみたいだね」
と、久露花局長は言いました。
成程。橙乃局長のご意向ですか。
「そこで、精神的にも安定していて、比較的早く、人間の感情を学習出来る素養がある…見込みがある『新世界アンドロイド』として、2017番が選ばれたらしい」
「らしい、ということは、それも橙乃局長の意向なのですか」
「うん。橙乃局長が決めて、2017番…キルケーちゃんも同意したらしいよ」
と、久露花局長は言いました。
…でしょうね。
2017番の性格を考えると、彼女が『人間交流プログラム』を勧められ、断ったり、嫌がったりするとは思えません。
それが、例えどのようなプログラムだったとしても、です。
「こう言っては何ですが、第1局の…橙乃局長は、他局に遅れを取ることを嫌がる傾向がありますので…。碧衣さんのいる第2局、そして瑠璃華さんのいる私達第4局で、『人間交流プログラム』が成果をあげていると聞いて、自局からも一人は参加させたかったのでしょうね」
と、朝比奈副局長は、苦笑いをしながら言いました。
そうですね。私もそうだと思います。
別に悪意がある訳ではありません。他局を蹴落としてやろうという意志もありません。
ただ橙乃局長は、無意識なのか、意識しているのかは分かりませんが。
非常に、負けず嫌いな性格なのです。
そしてその負けず嫌いの性格は、彼女の造った2017番にも、そっくり受け継がれています。
「それで瑠璃華ちゃん。君は名実共に、先輩になる訳だ」
と、局長は言いました。
「『人間交流プログラム』の先輩ですか」
と、私は言いました。
これまでは、『人間交流プログラム』に参加しているのは、私と碧衣さんの二人だけだったので。
碧衣さんが先輩、私が後輩という関係でしたが。
これからは、私は先輩でもあり、後輩でもあるという、微妙な立場に立たされる訳です。
人間であったら、真ん中の子はグレる、などという迷信が、まことしやかに囁かれていますが。
あれは本当なのでしょうか。
本当だとしたら、私もグレる可能性があります。
「そうだね。『人間交流プログラム』の先輩であり…そして、君の通ってる星屑学園においても、瑠璃華ちゃんは先輩になるんだよ」
と、久露花局長は笑顔で言いました。
…何ですと?