アンドロイド・ニューワールドⅡ
「それは…どういう意味でしょう?」

「彼女、キルケーちゃんもね、瑠璃華ちゃんと同じ星屑学園に転入することになったんだ」

と、局長は説明しました。

そうだったのですね。

それで、名実共に先輩になった、という訳ですか。

「私が先輩ということは、2017番は中等部に編入するのですね」

「そう。瑠璃華ちゃんの一つ下、中学三年生だね」

と、局長は言いました。

星屑学園は中高一貫校ですから、中等部もあります。

普段は、私達は高等部の校舎にいるので、滅多に関わりはありませんが。

「何故、彼女は中等部なのですか?」

「さすがに、瑠璃華ちゃんと同じ学年で、年に二度も転入生が入ってくるのは不審かなぁ、と思ってね」

「手続き上の問題でも、中等部の方に空きがあったので、入りやすかったみたいです」

と、局長と副局長は教えてくれました。

高等部には、もうあまり空きがなかったのでしょうか。

同じ学年に編入学してきたら、同じクラスになれたかもしれないのですが。

残念ですね。

いえ、『人間交流プログラム』のデータを集めるには、同じ学年でない方が良いのでしょうか?

それを言うなら、そもそも同じ学校でない方が良いと思うのですが。

私と碧衣さんのように。

「何故同じ学校になったのですか?別々の学校にした方が、違ったデータを取れるのでは?」

「そのつもりだったんだけど、この近くの高校で、この時期編入出来たのが星屑学園だけだったそうなんだよ」

と、局長は教えてくれました。

「そうだったのですか。それは仕方がないですね」

「本当。まぁ時期的にも中途半端だからね。春まで待ったら?とは言ったんだけど、すぐにでも始めたかったみたい」

と、久露花局長は苦笑いで言いました。

仕方ありません。橙乃局長は、負けず嫌いな方ですから。

春になるまで、悠長に待ってはいられなかったのでしょう。

「そんな訳だから、瑠璃華ちゃん。学年は違えど、同じ学校に通う仲だ。キルケーちゃんと、仲良くしてあげてね」

と、局長は言いました。

「はい。了解しました」

と、私は答えました。

…局長のお言葉通り、仲良く出来たら良かったのですが。

2017番と仲良くするのは、そんなに簡単なことではない、と。

私は後になって、知ることになります。
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