アンドロイド・ニューワールドⅡ
それよりも。
「碧衣さんは聞いていましたが、紺奈局長も浴衣を着られているんですね」
と、私は言いました。
碧衣さんはともかく、紺奈局長まで浴衣を着ているとは思いませんでした。
「これは…私は着るつもりはなかった、と言うか、花火大会にも来る予定はなかったんだが」
と、紺奈局長は答えました。
やっぱりそうだったんですか。
「1110番がどうしてもと…。来ない気なら、無理矢理縄で縛って拉致する、と宣言するものだから…」
と、紺奈局長は言いました。
脅迫に屈したんですね。
確かに、碧衣さんのスペックなら、紺奈局長を捕まえて連れてくることくらい、訳ないでしょう。
しかし。
「僕が誘ったら、喜んでついてきてくれたんです。これが愛ですね!」
と、碧衣さんは笑顔で言いました。
彼の中では、色々と記憶に改変が見られるようです。
記憶機能の故障でしょうか。
「それに、折角だから浴衣デートしたいじゃないですか?そう思って、紺奈局長の分も浴衣、用意したんですよ。とってもよくお似合いだと思いませんか?」
「そうですね。鈍い紺色が、紺奈局長によくおにあ、」
「もうこれは、何処からどう見てもベストカップルですよ!」
と、碧衣さんは嬉しそうに言いました。
今日の碧衣さんは、やはり他人の話を聞かない傾向があります。
そんな碧衣さんを見て、奏さんは無言で絶句していました。
「それより、1027番」
「はい、何でしょうか紺奈局長」
「お前の…その、浴衣は何なんだ?」
と、紺奈局長は尋ねました。
これですか。先程から周囲の注目を集めている浴衣です。
紺奈局長も気づいてくださったようですね。
「浴衣ドレスと言うそうです。浴衣という伝統衣装に、機能性を追加した、画期的な衣装です」
「そ、そうか…」
と、紺奈局長は視線を彷徨わせながら言いました。
何故、こちらをちゃんと見てくれないのでしょう。
折角、今日の為に用意した衣装なのですから、目に焼き付けておいて欲しいです。
「何か問題がありますか?」
「いや…問題はない。が…1110番と言い1027番と言い、『人造聖宝具』達には、もっと世間一般の常識というものを身に着けさせるべきだと痛感した」
「そうですか」
と、私は答えました。
どういう意味でしょうか。
「貴殿は確か…この1027番の、友人だったな」
と、紺奈局長は奏さんに話しかけました。
「は、はい」
「そうか。所属は違えど、1027番も『Neo Sanctus Floralia』の仲間だ。彼女のことを、宜しく頼む」
「あ、はい。それは、勿論です」
と、奏さんは答えました。
「何分、ほとんど常識というものを学ばずに、人間の世界に送り込んでしまったが為に、振り回されることもおお、」
「おっと、局長!そろそろ花火が上がる時間ですよ。もっと見晴らしの良いところに行きましょう!」
「ぐぇ」
と、碧衣さんに引っ張られて、紺奈局長は苦悶の呻きを漏らしました。
大丈夫でしょうか。
「それじゃ、僕達はデートの続きに戻りますね!」
「そうですか」
「瑠璃華さん達もお達者で。また会いましょうね〜」
と、碧衣さんはひらひらと手を振って。
しっかりと紺奈局長の腕をホールドして、引き摺るように連れていきました。
相変わらず、仲の良いお二人ですね。
「碧衣さんは聞いていましたが、紺奈局長も浴衣を着られているんですね」
と、私は言いました。
碧衣さんはともかく、紺奈局長まで浴衣を着ているとは思いませんでした。
「これは…私は着るつもりはなかった、と言うか、花火大会にも来る予定はなかったんだが」
と、紺奈局長は答えました。
やっぱりそうだったんですか。
「1110番がどうしてもと…。来ない気なら、無理矢理縄で縛って拉致する、と宣言するものだから…」
と、紺奈局長は言いました。
脅迫に屈したんですね。
確かに、碧衣さんのスペックなら、紺奈局長を捕まえて連れてくることくらい、訳ないでしょう。
しかし。
「僕が誘ったら、喜んでついてきてくれたんです。これが愛ですね!」
と、碧衣さんは笑顔で言いました。
彼の中では、色々と記憶に改変が見られるようです。
記憶機能の故障でしょうか。
「それに、折角だから浴衣デートしたいじゃないですか?そう思って、紺奈局長の分も浴衣、用意したんですよ。とってもよくお似合いだと思いませんか?」
「そうですね。鈍い紺色が、紺奈局長によくおにあ、」
「もうこれは、何処からどう見てもベストカップルですよ!」
と、碧衣さんは嬉しそうに言いました。
今日の碧衣さんは、やはり他人の話を聞かない傾向があります。
そんな碧衣さんを見て、奏さんは無言で絶句していました。
「それより、1027番」
「はい、何でしょうか紺奈局長」
「お前の…その、浴衣は何なんだ?」
と、紺奈局長は尋ねました。
これですか。先程から周囲の注目を集めている浴衣です。
紺奈局長も気づいてくださったようですね。
「浴衣ドレスと言うそうです。浴衣という伝統衣装に、機能性を追加した、画期的な衣装です」
「そ、そうか…」
と、紺奈局長は視線を彷徨わせながら言いました。
何故、こちらをちゃんと見てくれないのでしょう。
折角、今日の為に用意した衣装なのですから、目に焼き付けておいて欲しいです。
「何か問題がありますか?」
「いや…問題はない。が…1110番と言い1027番と言い、『人造聖宝具』達には、もっと世間一般の常識というものを身に着けさせるべきだと痛感した」
「そうですか」
と、私は答えました。
どういう意味でしょうか。
「貴殿は確か…この1027番の、友人だったな」
と、紺奈局長は奏さんに話しかけました。
「は、はい」
「そうか。所属は違えど、1027番も『Neo Sanctus Floralia』の仲間だ。彼女のことを、宜しく頼む」
「あ、はい。それは、勿論です」
と、奏さんは答えました。
「何分、ほとんど常識というものを学ばずに、人間の世界に送り込んでしまったが為に、振り回されることもおお、」
「おっと、局長!そろそろ花火が上がる時間ですよ。もっと見晴らしの良いところに行きましょう!」
「ぐぇ」
と、碧衣さんに引っ張られて、紺奈局長は苦悶の呻きを漏らしました。
大丈夫でしょうか。
「それじゃ、僕達はデートの続きに戻りますね!」
「そうですか」
「瑠璃華さん達もお達者で。また会いましょうね〜」
と、碧衣さんはひらひらと手を振って。
しっかりと紺奈局長の腕をホールドして、引き摺るように連れていきました。
相変わらず、仲の良いお二人ですね。