アンドロイド・ニューワールドⅡ
「…これからも、一緒にいられるのですね?」

「うん。これからも、一緒にいるよ」

と、奏さんは言いました。

そうですか。

それは…嬉しいですね。

これからも私は、奏さんと共に…『人間交流プログラム』を遂行出来るのです。

きっと奏さんと一緒なら、今よりもっとたくさん、様々な感情を学ぶことが出来るでしょう。

これまでも、そうであったように。

それからも、きっとそうであるはずです。

…楽しみですね。

今度は、どのような感情を教えてもらえるのか。

…ん?

そのとき私は、あることに気が付きました。

「…奏さん」

「ん?何?」

「今気づいたのですが、私、いつも奏さんに人間の感情を教えてもらっていますが」

「あぁ、うん…」

「私は、奏さんに何も教えていませんよね」

と、私は言いました。

これって、とても不公平なことなのではないか、と思ったのです。

私は奏さんから、一方的に与えてもらうばかりで。

奏さんには、何も与えていないではありませんか。

「え?いや、別に…。俺はそんなこと、ちっとも気にしてないけど…」

と、奏さんは言ってくれました。

奏さんはお優しいですから、そう言ってくださいますよね。

「それに、何も与えられてないなんてことないよ。瑠璃華さんといると俺は、自分のちっぽけな世界が、凄く広く見えて…」

「成程、分かりました。では、いつも私に様々な人間の感情を教えてくださっている、そのお礼に」

「…?」 

「奏さんに、もっと広い世界をお見せします。それでお互いイーブンですね」

と、私は言いました。

これは名案ですね。

やはり、私達は親友同士ですから。

お互いに与え合う存在でなくては。

「広い世界…?どういう意味?」

「言葉通りの意味です。見てのお楽しみということで、では行きましょう」

「え、ど、何処に行くの?」

と、奏さんは聞きました。

私はその質問に答えず、周辺の建物を見渡しました。

手頃な建物は…この近くにはありませんね。

しかし、問題ありません。

私の住むアパート。あれが丁度良いでしょう。

「私のアパートです。あそこが丁度良いですから」

と、私は言いました。

「瑠璃華さんのアパート…?え、何を見せてくれるの?」

「それは、行ってからのお楽しみです」

と、私は言いながら、奏さんの車椅子を押しました。
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