望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
さて、カレンの部屋を出たレイモンドは書斎へと向かっていた。それを後ろからパタパタと追うアドニス。レイモンドが部屋に入るとアドニスもそれに続く。
「兄さん」
アドニスはソファに座った。
「なんだ」
書棚の前で本を探していたレイモンドは、視線を彼にうつさずに返事をした。
「義姉さんは、やはり兄さんの運命の相手ですか? 今日はその、落ち着いているように見えるのですが」
「ああ。昨夜ほどではないな。やはり、今日はそれほど感じることはない。だが、彼女は間違いなく私の運命の番だ」
昨夜ほどではないが、今日もわずかながら彼女から感じるものがあった。
「でも。そういった人と出会うとすぐわかるって言うじゃないですか? なぜ兄さんは二月も気付かなかったんですか? なぜ昨日になってわかったんですか?」