望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
そう。だから髪の色も違う。あのとき、二年前にあの場所で出会った彼女は、色の濃い茶色のような、こげ茶色のような、そんな髪の色をしていた。濃い色の髪は珍しいため、それの印象が強い。だが今はどうだ? 薄い銀色の髪。それはまるで本当の彼女を隠すかのように。
「義姉さんを護っている? そんなこと誰が?」
「さあな。だが、それの影響で私が彼女に気付くことができなかった、と思っている」
さっさと気付くことができれば、初めて会ったときにあんなことを言わなくて済んだのに。今すぐにでもこの手で彼女を抱くことができるというのに。
後悔なのか、彼女を護っている魔力への恨みなのか。
「兄さん。今、ものすごく後悔しているのではないですか?」
「何をだ?」
「義姉さんを護っている? そんなこと誰が?」
「さあな。だが、それの影響で私が彼女に気付くことができなかった、と思っている」
さっさと気付くことができれば、初めて会ったときにあんなことを言わなくて済んだのに。今すぐにでもこの手で彼女を抱くことができるというのに。
後悔なのか、彼女を護っている魔力への恨みなのか。
「兄さん。今、ものすごく後悔しているのではないですか?」
「何をだ?」