望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う

　メアリーが差し出したのは、濃い青色がベースになっているドレス。上半身はシンプルな青色のデザインになっているのだが、あまり谷間を隠してくれるようには見えない。スカートは濃い青と白と水色のグラデーションになっていて、花の柄とレースとフリルが派手だった。だが、その青という色合いがその派手さを和らげてくれている。

「少し、派手過ぎませんか？」

「少し派手なものにして欲しいというのが、旦那様のご希望です」

「旦那様が？」
　本当にあの男は何を考えているかわからない。まさかこのようにドレスを準備してくれていたことも謎だけれど。派手な女性が好みなのだろうか。

「奥様は、青い色の方が似合うと思うのですが」

「え。ええ。では、それにします」
　カレンがそう答えると、メアリーは嬉しそうだった。それからメアリーはドレス合わせを始めたため、カレンはされるがまま。