望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
「王宮魔導師レイア。いるなら返事をしろ」

 突然、外からそんな声が聞こえてきた。ドンドンとドアを激しく叩く。そんなに叩かれたらこの家は壊れてしまうかもしれない。

「はいはい。今、開けますから」

 先ほどまでの緊迫した声とは異なるおどけた口調。

「そんなに騒がなくても聞こえていますよ? 何か御用ですか?」

 ドアを開けると鎧と重々しい空気を纏った男たちがいた。男たち、そう、複数人。

「王妃様がお呼びだ。至急、王都にまで戻られよ」

「もう用済みだと言って、このような辺境に人を送り込んだというのに? 一体どんな御用かしら?」

< 161 / 269 >

この作品をシェア

pagetop