望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
 レイモンドはふっと笑って、カレンの顔に自分のそれを近づけ、そっと唇を重ねる。

「すまない、もう我慢ができない」
 ふわりと身体を抱き上げられたカレンは、また寝室へと戻る羽目になってしまった。

「二日程度我慢して欲しい」
 カレンを抱き上げているレイモンドが言う。
「私は純血ではないから、多分、あと二日程度で大丈夫だと思うのだが」

「何が、ですか?」
 問わずにはいられない。その問いに対する彼からの答えはなく、またその口を封じられる。
 結局、その我慢の意味を知る羽目になったのが、二日後だった。

 何度か意識を手放し、そしてまた意識を取り戻す。カレンはそのような微睡を繰り返していた。
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