望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
 カレンはロバートにその手を剣から離すように言う。これは、命令である、と。
 ロバートはその言葉に従い、剣からそっと手を離す。
 口から血を吐き、その刺されたところを血に染めている姉。
 ロバートの剣をカレンが手にした。
「お姉さま。お姉さまの首は、ダレンバーナに持ち帰って上げますからね」
 口角をあげ、妖艶に笑む。

「カ……、カ、レ……ン」

「誰かいないのか」
 騎士たちの野太い声が響いた。どうせなら、口も塞ぐんだったと思いながら、カレンはその剣に力を込めた。
 ズシリと重みを感じたのは、姉の身体が重力に従い始めたからだ。
 カレンはその重みに耐えきれず手を離した。ドサッという、重いものが落ちた音がした。カレンはすっとその剣を抜いた。

「侵入者だ」
 と言う声が廊下から聞こえてくる。
「おい、誰か。誰かいないのか」
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