望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
「ただ、あれは。ダレンバーナが嫌いと言っていましたので、そこだけは信じられるかと思います」

「そうか」
 王太子は静かに呟いた。

 レイモンドとロバートはその後、いくつか言葉を交わすと、王太子妃殿下の死体を処理するために、あの部屋へと戻った。
 頭部の無い死体と、そこで意識を失っている男たち。

「ロバート、大変だ」

「何がですか、団長」

「私は、彼らの存在をすっかり忘れていた」

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