望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
 侍女のメアリーも執事のジョンソンも、なぜかダレンバーナの女である自分に良くしてくれた。
 そして一番その決意を鈍らせているのは、レイモンドだ。
 愛の無い結婚だと思っていた。いや、最初はそこに愛などなかったのだ。それはお互いにわかっていたこと。
 お互いがお互いの大事な物を守るために、引き受けた結婚。
 ただ、それだけのものだった、はずなのに――。

 カレンは上掛けの布団を頭までかぶった。
 考えれば考えるほど、涙が溢れてくる。母親を失ったあの日から、泣くことはやめようと思っていた。
 いつの間にか心が弱くなってしまったのだろうか。
 これで、本当にダレンバーナの王妃を殺すことができるのだろうか。
 そうやって感傷に浸っていたから気付かなかった。

「カレン。眠ってしまったのか」

 いつの間にかレイモンドがいたらしい。ベッドの横がギシッと音を立てて沈んだのがわかった。頭までかぶった上掛けに手を伸ばし、それを少しめくられた。

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