望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
「行きます」
 カレンがいきなり起き上がろうとしたため、レイモンドはそっと背中を支える。
「大丈夫か? 何も、無理をしなくても」

「早く、お会いしたいのです」
 カレンはそのレイモンドの腕にしがみつく。
「会って、話がしたい」

「わかった」

 その二人の様子をブレイグは優しい笑みを浮かべて眺めていた。自分が力を貸すまでも無い、と。

 カレンはゆっくりとベッドからおりた。その身体を支えるように隣にはレイモンド。

「ご案内します」
 二人はゆっくりとブレイグの後ろをついていく。それにブレイグも歩調を合わせる。

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