望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
「お、父さん……?」

「そうだ」

 男は手を伸ばし、カレンの頬に触れた。

「レイアは、本当に素敵な宝物を残してくれた」
 頬にふれる痩せた手が優しい。その手に、カレンも自分の手を重ねる。

「お父さん、お父さん……」

 会いたかった。ずっと会ってみたかった。話したかった。聞きたかった。


 ――私は望まれて生まれてきたのですか、と。




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