望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
「話ができれば姿も場所も問わない」
 それは間違いなくレイモンドの本音。

「でしたら、このままで。先に、僕の方から話してもいいですか?」

「かまわない」
 アドニスはそのままの姿で、この十日程の出来事を教えた。ほとんどがカレンに関すること、そしてカレンから聞いたこと。
 レイモンドは黙ってそれらを聞いていた。右手で優しく弟の背を撫でながら。
 遠目から見たら、レイモンドが優しく動物を撫でているようにしか見えない。それが狙いでもある。
 だが、アドニスの話を聞いているうちにレイモンドの顔は次第に曇っていく。
「それがあの女を?」
 アドニスの話を聞き終えたレイモンドが口を開いた。にわか信じられない内容だった。

「義姉さんがアドニスとして僕に教えてくれたことはもちろんですが、この姿ですといろいろと喋ってくれるのですよ」
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