望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
 アドニスの言う通りだ。だからこそ彼女を探し、彼女を待つことができたのだ。

「だったら、あの女は何者だ」

「ですから、ダレンバーナの第四王女です。あの王が、王宮魔導師に生ませた娘のようです」

「それをあの女が言ったのか?」
 レイモンドは目を細め、豹の顔を覗き込んだ。

「ですから、こちらの姿の方が都合の良いこともあるのです」
 アドニスは気持ちよさそうに顔を上げた。
「それから兄さん。もう一つ重要なことを忘れていました」

「なんだ?」
 弟から出てくる話は、にわか信じられないようなことが多い。それもこれもあの女から仕入れた情報なのだろう。

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