タケノコ令嬢は今日もタケノコ掘りで忙しい
 祖父母の領地は田舎も田舎、超田舎だった。
 屋敷はそれなりだが、裏にうっそうと竹林が広がっている。

「よく来たわね、ロッサナちゃん」
 祖母が快く迎え入れてくれる。

「これから、お世話になります。おじいさま、おばあさま」

「いいんだよ、いろいと大変だったらしいね」
 祖父が温かい声をかけてくれた。

「でも、ただでお世話になるわけにはいきません。私ができることはなんでもやりますので、どうぞよろしくお願いします」
 ロッサナは深々と頭を下げた。三つ編みが前に垂れ下がってきた。顔を上げた時に、三つ編みも後ろに払った。
 いくら身内でも甘えることはしない。自分で生きていくための術を身につけなければ、と彼女は思っていた。

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