舞台の上で輝いて
スタジオに来て、掃除を終えてストレッチを始めていると、昨日の合同リハーサルの事が思い出される。
この2ヶ月の歩みは正しかったと思う。
昨日結城さん…拓也さんと話し合った事を今日の午後のリハーサルで試していこう。
もっともっと良い作品にする為に。
10時近くなり、団員がポツポツとスタジオに入ってくる。
でも、今日はみんな違う。
いつもは挨拶した後は私の存在はないかの様に
素通りしていたのに、みんなが話しかけてくる。
昨日のリハーサルの事を。
自分はどこのパートが1番良かったと思ったとか、私のバリエーションの技術の事や、白鳥の湖の世界観についてとか。
ダンサーとしてダンサーに話しかけてくれている。
もう誰も芸術監督の無謀な挑戦とは思っていない。
私の事を1人のプロのダンサーとして認めてくれている。
嬉しい。
隣でゆりがニコニコしながら
「良かったね。でも昨日のリハーサル観たら、まあ、こうなるよね。本当に見事だったもん。
偉いえらい。こんな状況の中、頑張ったね。
私も香織に感化されたみたい。バレエともっと向き合いたいと思った。私も頑張って次回公演の時に、パドトロワとか4羽の白鳥とかに選ばれる様に日々精進します,誓います‼︎」
と右手を高く掲げて宣言した。
「素晴らしい心意気ね。頑張ってね。」
会話が聞こえたみたいで麗奈さんがゆりに声をかけた。