舞台の上で輝いて

緞帳《どんちょう》がおりる。

客席から割れんばかりの拍手が沸き起こる。
拍手の衝撃が舞台にも伝わってくる。

やり切った。
成功した。

グッと涙を堪える。

拓也さんから
「さあ、お客さまのアンコールに応えよう。
準備は良い?」

何度も何度も頷いた。

スタッフの人達も
「アンコールに応えます。緞帳《どんちょう》を開けます。
皆さん準備して下さい。はい、いきますよー。」


それから何回も何回もアンコールは続いた。
煽れんばかりの拍手は鳴り止まない。客席はほぼみんなスタンディングオベーションしている。
そこここから

「ブラボー」
「ブラボー」
の声がかかる。

ダンサーにとって、これ以上の喜びはない。
笑顔で客席に向かって応える。

もうアンコールもお仕舞いにしないといけないけれども、客席からの拍手は今だに鳴り止まない。

スタッフの人が、
「王子とオデットは緞帳《どんちょう》から前に出てもう一度客席にご挨拶して下さい。じゃないと収まらないです。」

拓也さんと手を取り合って客席に向かって出て行く。
本日何度目の挨拶かもう分からないけど、舞台と観客が一体となったこの高揚感は言葉に出来ない。
この瞬間の事は一生忘れない。

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