舞台の上で輝いて

観客が帰った後、私たちダンサーはみんなまだ舞台上に残って、余韻に浸っていた。

拍手をしながら芸術監督さんがやってきた。

「今日の舞台は本当に素晴らしかったよ。
バレエは芸術というけど、これぞ芸術という出来だった。
芸術性溢れる密度の濃い素晴らしい舞台だった。
みんなそれぞれにきちんと各々の役をこなしてして見事だった。
結城君の王子は何度も観ているけれども、今日の舞台が今までで1番良いんじゃないかな。
文句なしに完璧だったよ。

そして、橘さん、君は私が想像した通りだった。
いや、想像以上だった。
今日の舞台をきっちりと支配していたよ。
一瞬、本当の白鳥がそこにいるのかと錯覚した程だ。
観客の心も掴んでいた。
テクニックや音のとり方とかのアーティスティックな面でも文句なしだ。
今日の踊りはプリンシパルに相応しい踊りだった。
飛び級の様になるけれど、ただ今この場をもって、橘香織さん、君を東条バレエカンパニーのプリンシパルに任命する。」

芸術監督が宣言した。

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